多くの寄付が寄せられ、「背中を押されている気分になる」と語る宮西正憲特命教授=神戸市中央区港島南町1
多くの寄付が寄せられ、「背中を押されている気分になる」と語る宮西正憲特命教授=神戸市中央区港島南町1

■最先端の血液解析の費用に

 「治りにくい病気の子どもたちを救いたい」-。血液の元となる「造血幹細胞」などを研究する神戸大大学院医学研究科の宮西正憲特命教授(50)が、クラウドファンディング(CF)で研究資金を募っている。既に第1目標の500万円を突破し、第2目標の1千万円に挑戦中。集まった資金は、研究の土台とするため、病に苦しむ子どもたちに最先端の血液解析を受けてもらう費用などに充てることにしており、宮西特命教授は「新たな治療技術の開発につなげたい」と話している。(井原尚基)

 宮西特命教授が取り組むのは、難治性の子どもの病気治療でさまざまな可能性を秘めている同細胞などの研究。滋賀県出身で、産婦人科医を経て留学した米スタンフォード大で造血幹細胞の研究を始めたという異例の経歴の持ち主で、過去に同細胞の移植成功の条件などに関する研究成果を欧米の医学誌などで発表してきた。