阪神・淡路大震災の体験者から話を聞いて学ぶ小中学生向け「第1回こども震災学校」が6日、神戸市中央区の神戸新聞社であった。震災で母と弟を亡くした小学校教諭の長谷川元気さん(37)=同市垂水区=が「地震はいつ来るか分からない。家族や友達を大切にして備えて」と呼びかけた。
こども震災学校は29年前の震災を直接知らない世代に記憶を継承しようと、神戸新聞社が語り部グループ「語り部KOBE1995」と協力して開催。初回のこの日は、子どもと保護者ら計約20人が参加した。
語り部KOBEの代表でもある長谷川さんは震災当時、小学2年生。同市東灘区のアパートが全壊し、母規子さん=当時(34)=と末の弟翔人ちゃん=同(1)=がたんすの下敷きになって亡くなった。「もっと『ありがとう』と伝えたかった。どうしてもっと優しくできなかったのかと後悔した」と話し、家具の固定など、命を守る備えの大切さを訴えた。
明石市立人丸小3年、三好莉帆さん(8)は「地震でお母さんが死んだり、家がなくなったりしたらどうすればいいんだろう。今日のお話をきっかけに考えたい」と話していた。
次回は8月の予定。随時参加者を募る。(上田勇紀、杉山雅崇)
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来年1月で阪神・淡路大震災の発生から30年。神戸新聞「1・17つなぐプロジェクト」は次代を担う子どもや若者たちと一緒に震災を学ぶ企画です。こども震災学校もその一つです。