高砂市のリーダーを決める市長選(31日告示、4月7日投開票)を前に、高校生が立候補予定者にまちの課題や将来像を問う「市長選ミーティング」が県立高砂南高校(同市西畑2)で開かれた。「高砂の魅力は」「若者が住み続けたい市へどうする?」。生徒たちは身近な課題から災害対策まで、厳しい質問を投げかけた。(中川 恵)
神戸新聞社が同校の協力を得て19日に実施。立候補を表明している日本維新の会新人で元市議の赤井浩康氏(65)、無所属で現職の都倉達殊氏(64)、無所属新人で元市職員の石本玲子氏(47)が出席した。
同校は、地域で活躍する人材を育てる「コミュニティ創生類型」を設置しており、このうちコミュニティ探究講座を履修する2年生ら5人が参加。事前に考えた質問をぶつけた。
市内在住の湯川心愛さん(17)は「遊ぶときは他市に行くことが多い。大人になって市外に移る人も多い」とし、「若者が住み続けたいと思う市にするためにすべきことは」と問うた。
赤井氏は、かつて山陽電鉄高砂駅前にあった大型商業施設「サンモール高砂」の跡地に触れ、「もう一度、活気ある場所に変えるために考えたい」とした。石本氏は「生まれ育った人が進学などで離れても戻りたいと思うには、子育てしやすいことや、帰っても仕事ができる環境が大切」と強調。都倉氏は「京阪神方面へ遊びに行く、通勤通学する際の利便性が重要」とし、JR曽根駅の南北自由通路設置に向けた協議を進めていると述べた。
生徒会長を務める黒川采加奈さん(17)は、元日の能登半島地震や近い将来起こるとされる南海トラフ巨大地震を念頭に「市の災害対策をどうすべきか」と尋ねた。
都倉氏は、2011年の台風12号による水害を機に、市が総合治水推進計画を進めていることを紹介。赤井氏は、津波の到達が見込まれる時刻までに住民が助け合い、高台に避難するため「周知徹底が大切」とした。石本氏は、耐震不足による建物倒壊や水道施設の破損対策、避難所の環境整備の重要性について述べた。
ミーティングを終えて、黒川さんは「正直、選挙は縁遠くて興味が無かったけれど、選挙に行って自分の意見を反映させてみたいと思った」と話した。保育士を目指す小林蒼梨さん(17)は「出生数の低下が気になり尋ねたら、さまざまな対策を考えていることが分かった。やっぱり保育士になりたい」と語った。