患者の顔色や息遣いを間近に感じることで、家族は病状を理解する=2020年12月25日、神戸市中央区港島南町2、市立医療センター中央市民病院
患者の顔色や息遣いを間近に感じることで、家族は病状を理解する=2020年12月25日、神戸市中央区港島南町2、市立医療センター中央市民病院

 神戸市立医療センター中央市民病院に入院した90代女性患者の娘は、主治医から「病状は改善傾向にある」と電話で説明を受けた。ところが3日後には「死期が近い」と告げられ、絶句する。「良くなっていると思っていたのに」

 病状の急変は、新型コロナウイルス感染症の重症患者にしばしば見られる。

 現実を理解できない様子だった娘は翌日、母親の病状を受け入れた。「本当にしんどそうですね」「楽にしてあげたい」

 心境が変化したきっかけは面会だ。娘は防護具を着けて病室に入り、母の顔色や息遣いを間近に感じた。母は2日後に亡くなった。