「一緒にやんちゃしていた仲間はみんな、凶悪犯罪なんかせず、普通に働いているんですよ」と有弘は話す=2022年2月、神戸市内(撮影・小林良多)
「一緒にやんちゃしていた仲間はみんな、凶悪犯罪なんかせず、普通に働いているんですよ」と有弘は話す=2022年2月、神戸市内(撮影・小林良多)

 「やんちゃ」とは、広辞苑によると「子供のわがまま勝手なこと」だ。明石市出身の元非行少年、有弘(34)=仮名=も、やんちゃで警察の世話になった一人。ただ、彼は「普通」の家庭で育った、よくできる子だった。

 僕が道を外れたのは、中学に上がった12歳だったと思います。小学校のときは勉強ができたんで、中学受験をしました。

 家から徒歩2分しか離れていない祖母の家で育ちました。両親が共働きで、当初は祖母が僕の面倒を見るため通ってきていたんですが、まもなく祖母の家で育てることになったようです。祖母はしつけに厳しくて、父と母は全然教育に口出ししなかった。中学に入ったころ、2世帯住宅になり、親世帯に移されました。