集団疎開で寺を宿舎にする児童ら(1944年ごろ)
集団疎開で寺を宿舎にする児童ら(1944年ごろ)

 約80年前の1944(昭和19)年夏、戦局の悪化に伴い、神戸で学童疎開が始まった。当時、御蔵国民学校(現御蔵小、神戸市長田区)に通っていた久語孝雄(くごたかお)さん(87)=同市灘区=は、3度の疎開を経験。家族と引き裂かれる苦しみに耐えかね、逃げ帰ることを繰り返した。「今の子どもたちには絶対に味わわせたくない」。幼いながらも戦争を知る世代として、初めて当時の記憶を語った。(田中真治)