辻川山公園に新設されたシーソーに座って表彰を喜ぶ尾﨑吉晴町長とガジロウ=福崎町西田原
辻川山公園に新設されたシーソーに座って表彰を喜ぶ尾﨑吉晴町長とガジロウ=福崎町西田原

 移動支援サービスを手がける「ナビタイムジャパン」(東京)が発表した2025年のインバウンド(訪日客)滞在者増加率で、福崎町が前年比2.05倍となり、県内自治体で1位、近畿エリアで3位となった。同町では町出身の民俗学者、柳田国男の著書にちなみ、妖怪を用いた観光振興に取り組んでいる。交流サイト(SNS)などを通して海外からも注目が集まったとみられる。(喜田美咲)

 同社が手がける訪日外国人向けナビゲーションアプリ「ジャパントラベル バイ ナビタイム」の利用者から同意を得て取得したデータを基に集計した。ジャパントラベルは、ウェブとアプリを合わせて月間200万人程度の利用があるという。

 半径1キロ圏内に30分以上の滞在があった地点や滞在者数を記録し、前年比で伸び率を測った。福崎町では柳田の生家や、町内に点在する妖怪人形付きベンチ周辺が主な滞在先となった。

 ナビタイム社は滞在者数の実数を明らかにしていないが、同町によると、25年度の観光客入込数(日本人を含む)は約75万2千人で過去最高だった。「妖怪のまち」に取り組む前の12年度は約23万5千人だった。

 池にカッパのガジロウがいる辻川山公園(同町西田原)では、ガジロウの顔を模した滑り台や、アマビエが乗ったシーソーを設置するなど、徐々に遊具を増やしており、繰り返し訪れてもらう工夫をしている。町内に23基ある妖怪ベンチは徒歩やレンタサイクルで巡れるため、日本で車を運転できない訪日客でも観光しやすい。町によると、姫路からJR播但線で訪れる外国人の姿もあるという。

 町は大阪・関西万博を見据えて24年から、観光情報を英語などで紹介する冊子やアプリを作成。海外向けのインフルエンサーによる多言語での情報発信も後押しになったとしている。

 ナビタイムジャパンから表彰状を受けた同町の尾﨑吉晴町長は「町で外国人を見かける機会が増えたという実感が裏付けられた。引き続き柳田氏の功績を広め、訪れたくなるまちづくりをしていく」と話した。