秋の味覚・栗の栽培が、たつの市内で試験的に進められている。同市北部には奈良時代の播磨国風土記に登場する栗の逸話が残り、今も「栗」の名を冠する地名もあるなど縁の深い農産物。2023年に始まった栽培から初めての収穫は「桃栗三年」のことわざの通り、26年以降になる見通しだが、地元の農業関係者らは「昔話とも絡め、栗のブランド化を目指したい」と先を見据える。(西竹唯太朗)
■市が植栽に補助 2年で700本
同市北部の新宮町にある「栗栖」地区。播磨国風土記に「栗栖里」として登場する由緒ある地名だ。仁徳天皇から与えられた栗の実を植えたと記されており、かつては周辺に複数の栗園があった。同市農林水産課によると、現在は自家消費のために育てる住人はいるが、収益を得ている農家はゼロという。