イベントもしやすく再整備した宮塚公園(芦屋市)
イベントもしやすく再整備した宮塚公園(芦屋市)

 都市の中心部では、中-大規模の公園の再整備により新たなにぎわいが生まれています。大阪駅前の「グラングリーン大阪」や、神戸市役所に隣接する「東遊園地」などでは、芝生広場やカフェが整備され、地域の魅力を高めています。公園を起点・中継点にして、まちを回遊する方も多くみられます。

 一方、私たちの暮らしのすぐそばにある小さな公園はどうでしょうか。以前は「児童公園」と呼ばれ、ブランコ、すべり台、砂場(「公園の三種の神器」と呼ばれています)が必ずと言っていいくらい並ぶ公園が多くを占めていました。児童公園の標準面積は2500平方メートルですが、500平方メートル(25メートルプールくらい)未満の狭い公園も多く、今では遊ぶ子どもの姿がみられないこともあります。

 1993(平成5)年から児童公園は「街区公園」と呼び名が変わり、子ども用遊具に限らず、さまざまな利用ができる公園へと再生が進められています。

 遊具を新しくするだけでなく、ほとんど芝生だけの公園、木陰で休める空間、虫採りができる草地、子どもがどろんこになれる広場や、健康器具を設置した公園など、多様なかたちが生まれつつあります。キッチンカーが訪れるにぎやかな公園や、畑のような公園もできています。

 「遊具のある児童公園が減るのは寂しい」と感じる方もいるかもしれませんが、少し歩けばそうした公園もあります。地域全体で見れば、異なるタイプの公園が点在することで、多様な世代の人々が、それぞれの目的に応じて使い分けられるようになります。

 こうした公園の再生を成功させる鍵は、地域住民の声です。誰もが安心して利用できる公園をつくるには、周辺に暮らす人々の意見が不可欠です。もし地域で公園再生を話し合う機会があれば、ぜひ参加して、みんなで「身近で楽しい公園」を形にしていきましょう。さまざまな年齢(子どもも!)、性別、障がいの有無、国籍、働き方、特技の方々の意見が、公園と地域を豊かにするはずです。