神戸新聞で連載した創作童話「かなしきデブ猫ちゃん」の兵庫編の最終シリーズ「マルの怪盗Xを追え!」の絵本出版を記念するイベントが5月31日、中央区脇浜海岸通1の県立美術館ミュージアムホールであった。著者の小説家・早見和真さんと絵本作家かのうかりんさんのトークショーや作品の原画展、読み聞かせなどがあり、ファンら約200人が、兵庫県各地を舞台に計3シリーズを展開した物語の世界観を堪能した。(黒田勝俊)
「かなしき-」は2018年から愛媛新聞で3部作が掲載された後、舞台を兵庫県に移し、22年4月~25年2月に神戸新聞で連載。主人公のオス猫マルが県内全41市町を旅しながら、読者に勇気や元気、地域の魅力を届けてきた。
兵庫編第1シリーズ「マルのはじまりの鐘」、第2シリーズ「マルの真夏のプレゼント」の絵本は販売部数が計1万部を突破。4月からは中国新聞で、戦後80年の広島をマルが巡る新章が始まり、電子版神戸新聞NEXTでも会員向けに掲載している。
イベントでは、早見さんとかのうさんによる創作秘話などに観客が聞き入ったほか、会場前方に「バーチャルマル」が大きく映し出され、客席に語りかける演出も。神戸の子どもたちでつくる合唱団「ハーモニーフレンズ」のステージなどもあった。