高校教員からブドウ農家に転職し、加西市岸呂町で農園を営む山城一石(かずし)さん(51)が、臨時教員を務める小野工業高校の生徒たちと、ブドウを通じた交流を重ねている。就農から3年目、栽培の大変さを生徒たちに伝える山城さん。ブドウに掛ける紙袋に色とりどりの絵を描き、「健康第一」などと記して山城さんを励ます生徒たち…。生徒たちは同農園産のブドウを使ったパウンドケーキ作りにも取り組み、「地元の商品開発や地場産業の振興にも役立てたい」と意気込む。(坂本 勝)
山城さんは明石清水高校などで教員を25年間務めた。ブドウが大好きで、中でも大粒で糖度が高く、果皮が赤紫色の品種「悟紅玉(ごこうぎょく)(旧ゴルビー)」を食べ、おいしさに衝撃を受けた。「農業を始めたい」と教員を退職。JA兵庫六甲の神戸西営農総合センター(神戸市西区)で技術を学び、県内のブドウ産地を回って就農先を探した。