神戸新聞で連載中の創作童話「かなしきデブ猫ちゃん」を視覚障害者でも楽しめるよう、第1弾「マルのはじまりの鐘」をボランティア団体「西脇点訳友の会」の中嶋弘美会長が点訳し、兵庫県西脇市図書館に寄贈した。計36回の連載を一人で訳した中嶋さんは「大人から子どもまで楽しめ、兵庫の名所も学べる」と話し、今春始まった第2弾の点訳にも意欲をのぞかせる。
「デブ猫ちゃん」シリーズは2018年に愛媛新聞で連載が始まり、神戸新聞では22年4月から兵庫編がスタート。主人公のマルがメス猫のコザクラを捜して兵庫五国を巡った。今年4月から第2弾「マルの真夏のプレゼント」で、マルの旅が再開している。
中嶋さんはこれまで、西脇にゆかりのある人の評伝や自叙伝が神戸新聞に連載されると、点訳した本を図書館に寄贈してきた。「デブ猫ちゃん」では播州織のストールを身に着けるマルの活躍に魅了され、兵庫編が始まった当初から点訳することを決めていたという。
完成した本は2冊を印刷し、1冊を図書館へ、もう1冊を神戸新聞社へ贈る。データは手元に残してあるので、増刷も可能という。「第1弾だけでは物足りない気がしていたので、続編の連載はうれしい」と連載継続を喜ぶ。貸し出しの問い合わせは西脇市図書館TEL0795・23・5991
(伊田雄馬)