戦前・戦後に阪神電鉄の特急・急行車両で活躍した881形の「貫通扉」(正面ドア)が、尼崎市立歴史博物館(南城内)に寄贈された。2枚折り戸のしゃれたデザインで、鉄道愛好家から「喫茶店」の愛称で親しまれた。残存する貫通扉は広く確認されている数がわずか2枚と希少で、同館は常設展示を始めた。(金 旻革)
881形車両は1941、42(昭和16、17)年に神戸の川崎車輌で30両が製造された。阪神電鉄の本線を走り、車両の大型化に伴い67年までに全車が廃車になった。末期には武庫川線で使用され、廃車後は香川県の高松琴平電気鉄道(琴電)に16両が譲渡された。
琴電では77年に廃車となったが、鉄道愛好家の小笠原裕一さん=西宮市=が解体工場から譲り受けて長らく香川県内の実家で保管。昨年に同館へ寄贈を打診していた。
貫通扉は、881形の1号車に装着された扉で、縦188センチ、横67センチ。琴電が車両に採用していたクリーム色とピンク色のツートンカラーだが、劣化して塗装がはがれた箇所からは阪神電鉄時代とみられる茶色が見える。確認されているもう1枚は、東京・目黒の「カレーステーション ナイアガラ」に残されているという。
同館あまがさきアーカイブズの西村豪さん(51)は「車両前面に取り付けられた折り戸は類例がなく、当時では先進的。広範囲がガラス張りで電車好きの子どもたちにとって特等席だった」としている。























