平尾正さんが阪急阪神ホールディングスの情報サイトで連載する「日替わりランチ放浪記」のページ
平尾正さんが阪急阪神ホールディングスの情報サイトで連載する「日替わりランチ放浪記」のページ

 昼休みの1時間に懸け、飲食店愛をウェブ上で発信する阪神電気鉄道広報担当部長・平尾正さん(54)のコーナー「日替わりランチ放浪記」の掲載店が、5千店に到達した。同じ店に行かないと決め、新たな味との出合いを求めて24年。兵庫県内にも足を運ぶ。原動力はグルメへの好奇心と、コロナ禍で垣間見た飲食店の根性を応援する気持ちという。

 大学生の頃から評判の店を食べ歩いた。2002年、阪神野田駅近くの本社に異動後、訪ねた店を忘れないよう自作のウェブサイトで記録。上司の目に留まり、05年に会社の新設サイト「阪神ナウ!」にコーナーができた。看板企画となり、テレビや雑誌にも出演するように。「いろいろな人と食の話で打ち解け、人脈が広がった」

 阪神沿線の大阪市北区や福島区の店舗を中心に、兵庫県内も尼崎市や西宮市など500店を超えた。事前に調べず、同僚と歩きながら決める。「街の営みを感じ、フィールドワークの醍醐味(だいごみ)がある」と語る。社内で活動が認知され、会議中に昼休みが近づくと周囲がそわそわし始めるという。

 コロナ禍の経験が印象深い。外出制限で飲食店が休業し、連載の継続も危ぶまれた。しかし、夜のみだった店が昼の営業を始めるなど変化が表れた。「生き延びるんだという根性が見えた。応援しなければと思った」と話し、沿線活性化への思いものぞかせる。

 阪神ナウ!は21年に終了。現在、阪急阪神ホールディングスの情報サイト「TOKK関西」などで連載する。「一緒に盛り上がってくれた仲間の存在も大きい」と話し、5千店超えを祝うランチは休日の今月6日、同僚や友人らと連れだって大阪市中央区の「焼肉五苑千日前店」を訪れた。

 「まだ行ける範囲の店を制覇し切れておらず、日替わりランチ道を究められていない」。未知なる店を求め続ける。(荻野俊太郎)