新明和工業(兵庫県宝塚市)は、自律走行ロボットを使った配送システムの実証実験を、神戸市立工業高等専門学校(神戸市西区)で始めた。本部棟に届いた教授宛の郵便物を、200メートル前後離れた別棟の研究室まで運ぶ。大型マンションの敷地内から各戸まで運ぶ行程など、物流の「ラストマイル配送」の自動化を目指し、今月下旬まで実施する。
機械式駐車場で培った搬送技術を活用し、今月9日から実証を始めた。神戸高専の本部棟に配送ステーション(高さ約2メートル)を置き、自社で開発した自律走行技術を搭載した配送ロボット(同約70センチ)を使う。
実証には9人の教授が協力し、9人分の荷物を取り扱う。同社によると、自動配送ロボの実証実験は国内各地で進んでいるが、複数の荷物を一時保管できる配送ステーションを備えたシステムは珍しいという。
具体的には、各教授に届いた書類や雑誌を一人分ずつ箱に入れ、ステーション内に収納。登録した曜日や時刻になるとロボットが稼働し、一人当たり1日1便、160~250メートル離れた研究室まで運ぶ。従来は各自が本部棟まで郵便物を取りに来る必要があったという。秘匿性が求められるものは対象外にした。
ロボットはステーションを出発後、校内の決まった経路を時速2キロで進み、各工学科棟に入る。研究室前に設けた棚に自動で箱を置くと引き返す。所要時間は往復で約20~30分という。
実証の序盤では、約20回の配送作業のうち、約9割で配送できた。ステーションに戻ることができたのは約7割だったという。今後、教授がパソコンから予約した日時に合わせて配達する試みにも挑む。
同社は人手不足に悩む物流業界の課題を解決するため、2023年から配送システムの研究開発を進めてきた。社外での実証実験は初めてで、社員に神戸高専の卒業生がいる縁で実現した。今後、集合住宅での実証も目指す。
今回は建屋やエレベーターの扉を人が開閉しており、まだ実用化へのハードルは高い。同社技術開発部の担当者は「まずは社会に受け入れられるかどうかを確認したい。ロボットが走り回る時代には間に合わせたい」と話す。(大島光貴)























