神戸物産が残留農薬を自主検査する、輸入農産品の冷凍ホウレンソウ(同社提供)
神戸物産が残留農薬を自主検査する、輸入農産品の冷凍ホウレンソウ(同社提供)

 「業務スーパー」をフランチャイズ展開する神戸物産(兵庫県加古川市)は、輸入する農産品の全コンテナを対象に、残留農薬の自主検査を7月末から開始したと発表した。冷凍の野菜や果物、乾燥させた野菜や茶葉など、調味加工されていない約680品目が対象。外部機関に委託し、314項目を検査する。

 生産地や輸入後の既存検査に追加して行う。国の定める「輸入食品等モニタリング計画」で検査対象とされている残留農薬を、ガスクロマトグラフ質量分析などで検査する。

 同社によると、対象商品は年間で輸入コンテナ約3300個に上る。業界内でも大規模な取り組みという。

 今年5月には、中国産の冷凍大根とピーマンから基準値を超える残留農薬が検出され、自主回収していた。同社はより厳格な検査・販売体制が必要と判断し、輸入農産物の自主検査に踏み切った。検査費用は年間約1億円を見込むが、現時点で商品への価格転嫁は考えていないという。(広岡磨璃)