大阪(伊丹)空港の滑走路のすぐ南に位置し、着陸直前の航空機を間近で見られることから「飛行機撮影の聖地」として知られる千里川土手(大阪府豊中市)の一帯が生まれ変わりつつある。今月、空港寄りの右岸に滑走路を模した遊歩道や階段状のベンチが整備され、隣接する緑地には公園が一部オープンした。従来はトイレや日陰がなく、駐車場も不足していたが、より快適に鑑賞や撮影を楽しめるようになった。(大島光貴)
千里川土手は、頭上を飛ぶ航空機を撮影しようと、全国から航空ファンが訪れる。ただ受け入れ施設がなかったことから、豊中市が土手に隣接する緩衝緑地を「豊中つばさ公園『ma-zika(まぢか)』」として整備。今月12日、屋根付きの展望広場やトイレ、授乳室を備える管理事務所や127台収容の駐車場など約1・2ヘクタールが先行オープンした。開園時間は午前9時~午後9時半。
砂利道だった右岸は大阪府と同市、関西エアポートの整備により、舗装された遊歩道に一新。滑走路をイメージし、路面には北東の方位を意味する「03」や右岸にちなんだ「R」の文字などが大きく書かれている。階段状のベンチからも、航空機や滑走路を見ることができる。
公園は2027年3月に約5・9ヘクタールが全面開園する予定。飲食施設やバーベキュー広場、芝生広場などが完成する。土手の左岸も今秋から29年度にかけて整備を進め、公園と接続する。
記念式典が今月7日にあり、長内繁樹豊中市長は「昔は空港が疎まれた時期もあったが、緩衝緑地が公園に生まれ変わり、愛される空港になる」と語った。
伊丹空港周辺には他にも、滑走路の西側に隣接し、航空機の離着陸を真横で見られる全長1・2キロの公園「伊丹スカイパーク」(伊丹市森本7)や、離陸機を眺められる空港北側の公園「エアフロントオアシス下河原」(同市下河原3)などがある。