大規模な検査不正が発覚して前社長が引責辞任したのを受け、2021年7月に三菱電機社長に就任した漆間啓氏(65)。同年10月、組織風土改革のため、社長直轄の全社変革プロジェクト「チーム創生」を設立。組織改編にも着手し、不正の再発防止や信頼回復に奔走してきた。(石川 翠)
「チーム創生」は社内公募で選ばれた若手、中堅社員ら社員45人がメンバーになった。メンバーは各部署でヒアリングなどを実施し、課題を抽出。原因を分析して改革案を議論し、半年後の22年4月に3年間の「骨太の方針」を策定した。
「チーム創生には約450人が応募し、その中から45人を選んだ。多様な部署から集まり、初会合では『われわれの意見が本当に反映されるのか』と質問された。『私がリーダーなので全て受ける』と答えた」