WHO神戸センター設立覚書の調印式に臨む(左から)亀高素吉神戸製鋼所社長、牧冬彦神戸商工会議所会頭、笹山幸俊神戸市長、貝原俊民兵庫県知事、中嶋宏WHO事務総長(いずれも当時)=1995年8月、神戸市中央区
WHO神戸センター設立覚書の調印式に臨む(左から)亀高素吉神戸製鋼所社長、牧冬彦神戸商工会議所会頭、笹山幸俊神戸市長、貝原俊民兵庫県知事、中嶋宏WHO事務総長(いずれも当時)=1995年8月、神戸市中央区

 来春の撤退方針が明らかになった世界保健機関(WHO)の直轄研究機関、WHO神戸センター(神戸市中央区)。1990年代初頭から誘致に尽力し、兵庫県、神戸市とともに支援してきた経済界でも惜しむ声が出ている。

 都市の健康や人口集中、高齢化などを見据えた戦略研究拠点として発足。阪神・淡路大震災の復興プロジェクトにも位置付けられ、新型コロナウイルス禍の際も注目された。「果たした役割は大きい」と評価する一方、「当初の理念を引き継げなかった」とする声も聞かれた。