災害時や防災における流通業の役割について議論する中内潤・流通科学大理事長(右端)ら=神戸市西区学園西町3(同大提供)
災害時や防災における流通業の役割について議論する中内潤・流通科学大理事長(右端)ら=神戸市西区学園西町3(同大提供)

 1995年の阪神・淡路大震災から30年。社会インフラとしての流通業の役割について再考するシンポジウムが1月、流通科学大(神戸市西区)で開かれた。同大創設者でダイエー創業者、故中内功氏ゆかりの企業幹部らが登壇。阪神・淡路や東日本大震災など、さまざまな災害の経験を踏まえ、流通各社が蓄積した教訓を共有し、地域社会に果たすべき役割を確認した。

 ■明かりをつける

 阪神・淡路の犠牲者に黙とうをささげ、シンポは始まった。会場の大教室は約120人で埋まった。

 基調講演を務めたのは、ローソン専務執行役員の郷内正勝氏。近年の災害ではローソン社内で対策本部長を務めてきた。

 阪神・淡路が起きた当時、ローソンはダイエーグループだった。郷内氏によると、被災エリア全273店の約半数の店舗が被害を受けた。発生した1月17日のうちに応援の社員が現地に向かい、商品の配送も始まった。翌日には7割の店で営業が可能となった。