関西の企業経営者らが社会経済の課題を議論する関西財界セミナーが6日、神戸市中央区の神戸ポートピアホテルで開幕した。阪神・淡路大震災から30年の節目に合わせた企画で、神戸での開催は20年ぶりとなる。兵庫県内から100人超、全体で約700人が参加。大阪・関西万博や神戸空港の国際化を4月に控え、インバウンド(訪日客)も急増することが見込まれる中、南海トラフ巨大地震などへの備えの必要性について議論した。
関西経済同友会と関西経済連合会の主催で、63回目。開会式では、全員で震災の犠牲者に黙とう。神戸大学混声合唱団が震災後に神戸で歌い継がれる「しあわせ運べるように」を披露し、復興への願いを伝えた。
同友会の宮部義幸代表幹事は「未来の視点から、多様な変化をチャンスと捉える重要性を議論したい」とあいさつ。関経連の松本正義会長は「頻発する自然災害や南海トラフ地震など、企業は事前の備えに向き合う必要がある。具体的、実践的な議論を」と求めた。
会場入りした神戸商工会議所の川崎博也会頭は「震災を経験した神戸で、これからの防災を語り合うことには大きな意義がある」と話した。
■地域の防災力強化へ、企業の取り組み議論