■使った油 再資源化し、脱炭素社会へ。
全国のコンビニや外食店から集められた廃食油がトラックに積まれ、次々と尼崎市にある浜田化学の工場へ吸い込まれていく。回収量は年間2万2千トンに上り、全国でも5本の指に入るという。廃食油は工場内で精製され、ハンドソープや燃料、海や土中で分解されるプラスチックの原料などに生まれ変わる。
もともとは岡野嘉市(かいち)社長(57)の祖父が起こした石けん工場で原材料に使うため、食品会社から油を回収していた。外食チェーンが全国展開するようになると、油の処理に困った企業から回収の依頼が増加。1970年に会社を設立し、事業を回収サービスに切り替えた。