インタビューに応じる川崎重工業の橋本康彦社長=神戸市中央区東川崎町1、同社本社(撮影・三津山朋彦)
インタビューに応じる川崎重工業の橋本康彦社長=神戸市中央区東川崎町1、同社本社(撮影・三津山朋彦)

 川崎重工業(神戸市中央区)の橋本康彦社長は20日に応じたインタビューで、潜水艦修理を巡る裏金問題や船舶用エンジン検査不正を防げなかった要因として、「製造プロセスでは厳密に管理していることが、修繕やサービス部門では不正が起こりやすい状態が残っていた」と述べた。今後は誰もが悪い誘惑に乗りやすいとする「性弱説」の考えに立ち、「不正ができない仕掛け」を講じるとした。

 橋本社長は2020年の就任以来、事業部門の壁を取り払うなどして「フラットな組織でコミュニケーションを取ることを目指し、手応えもあった」という。しかし22年、子会社の川重冷熱工業で冷凍機の検査データを改ざんしていた問題が発覚。他にコンプライアンス(法令順守)違反がないか全社的に点検してきた。ところが今回の不正を見抜けず、「コンプライアンスの不十分さを突き付けられた」と振り返った。