1980年、三井物産に入社した大和工業の小林幹生社長(67)。鉄鋼製品本部に配属され、最初の5年ほどは造船会社向けの厚板や形鋼という鋼材を取り扱ったが、まだ新人のころの大きなミスが、今も忘れられない。
入社3年目ぐらい。陸上に設置するLNG(液化天然ガス)タンク用の鋼材を扱っていました。LNGは(マイナス162度に)冷やした状態で貯蔵するため、低温に耐える鋼材が求められるのですが、たまたま注文書を見直したら発注漏れがあった。納期は来月。製造に3カ月以上かかる特殊な材料です。上司に相談すると、知り合いの鉄鋼メーカーの方に相談してくれました。たまたま在庫が見つかり、命拾いしました。持つべきものは良き上司、と思いました。