今月完成した新社屋の前に立つ大和工業社長の小林幹生氏。「当社のH形鋼を使っています」と話す=姫路市大津区吉美
今月完成した新社屋の前に立つ大和工業社長の小林幹生氏。「当社のH形鋼を使っています」と話す=姫路市大津区吉美

 ビルや工場など建築用の「H形鋼」を中心に、世界8カ国で鉄鋼製品を製造販売する電炉大手の大和(やまと)工業(姫路市)。第3代社長の小林幹生氏(67)は、初めて創業家以外からトップに就いた。1944(昭和19)年の創立から今月8日で80周年を迎え、新社屋も完成。同日の記念式典で「80年の歴史を胸に刻み、100年企業、さらにその先を目指す」と決意表明した。

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 成長の一番の原動力は前社長・現会長の井上浩行さんの強烈なリーダーシップ。米国、タイ、中東と海外進出に取り組んでこられた。ただ、逆に言うと、社員の中には指示待ちのスタンスもちょっとあったので、上下の風通しが良く、きちんとコミュニケーションが取れる会社を目指しました。

 雰囲気はだいぶ変わりました。今年は服装の自由化を始め、7月からは社内で互いを「さん」付けで呼んでいます。肩書で呼ぶと自然と上下関係ができてしまう。役員とそれ以外で分かれていたヘルメットの色も黄色に統一し、階級を表す線を入れるのもやめました。無意識に上下の壁ができていたところがあるんじゃないかと。