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 兵機海運(神戸市中央区)は、同社株の公開買い付け(TOB)を実施している堂島汽船(大阪市)に送付した質問への回答が届いたと発表した。今後、社外取締役らで構成する特別委員会で審議し、答申を基に取締役会でTOBへの賛否を最終決定する。

 堂島側は回答で、TOBの目的を「株式所有比率を上げることで当社の提案を評価していただき、(兵機の)企業価値向上に向けた協議を加速する」と説明。兵機の意思決定に圧力をかけることや、堂島側に有利な資本業務提携を受け入れさせる狙いはないとした。互いの強みを持ち寄ることで、投資先を含めた事業成長につながるとする。

 また大和工業(姫路市)と兵機が資本業務提携の協議を始めると表明したことには「具体策が記載されておらず意見は控える」としつつ「大和グループとの取引の重要性は理解している。TOBが実施された場合に取引関係が阻害されるとの懸念は生じない」とした。その上で「当社の狙いは事業拡大であり、当社との資本業務提携は、大和グループにもメリットがあると考える」とした。

 兵機は今後、特別委の意見を最大限尊重した上で賛否を示す方針。TOB期限は29日で「できるだけ速やかに意見表明したい」としている。(横田良平)