南海トラフ地震臨時情報の発表を受け、スーパーで買い求める人が増えたパックご飯=神戸市内(撮影・笠原次郎)
南海トラフ地震臨時情報の発表を受け、スーパーで買い求める人が増えたパックご飯=神戸市内(撮影・笠原次郎)

 南海トラフ地震の「臨時情報(巨大地震注意)」が8日に発表され、兵庫県内の企業は9日、震災への備えを強めた。店舗の落下物対策などを進め、災害時の事業継続計画(BCP)を再確認。スーパーなどでは備蓄用の水や食料品がよく売れた。宮崎県南部で8日に震度6弱の地震が発生したことから、九州などの太平洋岸に拠点を置く企業は従業員の安否確認を急ぎ、「本番」を想定した避難経路の確認に全力を挙げた。

 ■備蓄・避難経路確認

 生活協同組合コープこうべ(神戸市東灘区)では日向灘を震源とする地震が起きた8日夕方以降、飲料水やパックご飯などの販売が増えた。9日朝からはトイレットペーパーや電池を備蓄用に買い求める傾向もうかがえたという。他のスーパーでもペットボトルの水などが次々と売れ、購入点数を制限する店もあった。

 ホテルや鉄道など、不特定多数の客が出入りする施設では、非常時に備えた準備が見られた。神戸ポートピアホテル(同市中央区)は、災害時の宿泊客に配る食料品や飲料水を確認した。山陽電気鉄道(同市長田区)も、大地震が想定される際の対応を定めた社内規定に基づき、駅施設の避難経路や備蓄品を再確認した。

 淡路島で飲食店や宿泊施設などの観光施設を展開するパソナグループ(東京)は、淡路市との連携協定に基づき、災害時には同社施設を避難所として開放するという。9日朝から、施設担当者が受け入れ態勢の確認などを進めた。