商社での国際ビジネスを通じて、生まれ育った「日本」への意識が高まっていた森本太郎氏(43)。人生を左右するような話が飛び込んできた。
海外工業団地への誘致事業で、僕の担当はベトナムでした。現地スタッフが来日すると、名所を案内するのですが、歴史や文化のことを聞かれても、うまく答えられない。日本のことをもっと知らないと、という気持ちが強まりました。
しかし、間もなく、そんな状況ではなくなります。2011年、東日本大震災が発生。一気に慌ただしくなり、会社(住友商事)は被災地支援の方策を探るため、元水産庁の方を招いて指導を仰ぎました。後に、その方が「縁談があるんだけど、社内にいい人いませんか」と、持ちかけてこられたそうです。