外国為替市場で円相場が約34年ぶりの円安水準となり、11日、兵庫県内の企業関係者らからは懸念と期待の両方の声が上がった。輸入品の価格高騰は物価高を助長する一方で、輸出や観光業には有利に働く。功罪両面が同居する為替の動向に、「常にリスク分散を考えないと」と経営者らは頭を悩ませる。
「輸入する原皮や金具などの仕入れ値高騰が製品価格に響いてしまう」とは、婦人靴メーカー、カワノ(神戸市長田区)の河野忠友社長(57)。輸入製品も高くなる分、国産品の価格競争力は上がるが「それが消費者にメリットかどうか。(一時4万円を突破した)株価上昇を喜んでいる場合ではない」と話す。