将棋の第36期女流王位戦(神戸新聞社など新聞三社連合主催)5番勝負の最終第5局が25日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、先手番の福間香奈女流王位(33)=清麗、女王、女流王座、女流名人、倉敷藤花=が、挑戦者の伊藤沙恵女流四段(31)を破り、通算成績3勝2敗で防衛を果たした。福間は女流王位7連覇(通算11期)を達成した。
本シリーズは開幕直前、挑戦者だった西山朋佳女流二冠(29)=白玲、女流王将=が体調不良で出場を辞退。急きょ挑戦者に繰り上がった伊藤が4月の第1局で先勝し、第2、3局は福間が制した後、第4局で伊藤が勝って2勝2敗のタイに戻していた。
女流王位戦で最終第5局までもつれこむのは、福間と伊藤が戦った第28期以来8期ぶりだった。
福間は、4月開幕の第18期マイナビ女子オープン5番勝負で西山に挑戦。今月5日、通算成績3勝2敗で女王位を奪い、女流六冠に復帰した。女流王位7連覇により、タイトル通算獲得数は64期となった。
福間が、タイトル戦の番勝負で伊藤の挑戦を受けるのは10回目で、今回で9回目の防衛となった。(小林伸哉)
■福間香奈(ふくま・かな)1992年生まれ、島根県出雲市出身。森雞二・九段門下。2004年に女流棋士デビュー。08年、初タイトルの倉敷藤花を獲得。女流棋界の第一線で活躍し、今月、3度目となる女流六冠を達成。旧姓は里見で、結婚を機に24年から福間姓で活動。