将棋の福間香奈女流王位(33)=清麗、女王、女流王座、女流名人、倉敷藤花=に伊藤沙恵女流四段(31)が挑む第36期女流王位戦(神戸新聞社主催)5番勝負の第4局が12日午前9時から徳島県松茂町の樫野倶楽部樫野邸で指され、午後6時18分、後手番の伊藤が106手までで勝ち、対戦成績を2勝2敗として、決着を最終局に持ち越した。
本局は第2局の中飛車戦と同じ立ち上がりに。急戦模様の駒組みから伊藤が7五歩(34手目)と仕掛けて戦いが始まった。
中盤は駒の働きがいい先手陣の模様が良さそうだったが、福間の5六同金(71手目)から7五角(73手目)の対応がまずく、状況が一変。以降、優位に立った伊藤が的確な指し回しで寄せ切った。
立会人の武市三郎七段(71)は「中盤は福間女流王位が攻勢に見えたが、3三桂(54手目)辺りから伊藤女流四段が先手陣の攻め駒の分断に成功し、一気に流れを引き寄せた会心局」と総括した。
持ち時間各4時間のうち残りは福間3分、伊藤27分。本棋戦でフルセットとなるのは、両者が対戦した第28期以来、8期ぶり。最終第5局は25日、東京都渋谷区の将棋会館で指される。
伊藤沙恵女流四段の話 先手の攻めを受け止められるかが難しく、一手一手考えていく展開だった。玉型の差があるので、倒れないよう気をつけていた。第5局を指せるのはとてもうれしく精いっぱい頑張りたい。
福間香奈女流王位の話 7八飛(69手目)と回った手がひどかった。もう少し自玉の堅さを生かす展開にするべき。途中で一気に崩れてしまったのは、反省点。次局は自分の全力を尽くせるように頑張りたい。