第3局を制し、対局を振り返る福間香奈女流王位=25日午後、福岡県飯塚市、麻生大浦荘
第3局を制し、対局を振り返る福間香奈女流王位=25日午後、福岡県飯塚市、麻生大浦荘

 将棋の第36期女流王位戦(神戸新聞社主催)5番勝負の第3局が25日、福岡県飯塚市の麻生大浦荘で指され、午後6時14分、後手番の福間香奈女流王位(33)=清麗、女流王座、女流名人、倉敷藤花=が挑戦者の伊藤沙恵女流四段(31)に96手で勝った。福間は対戦成績2勝1敗とし、タイトル7連覇に王手をかけた。

 伊藤の居飛車穴熊、福間の向かい飛車で始まった第3局。序盤から駆け引きが続き、福間の2四歩(40手目)から駒がぶつかった。福間が9五歩(46手目)と端攻めに転じた後、先手陣の隙をにらんだ攻防が展開された。伊藤は7七角(67手目)などで反撃したが、最後は、福間が7五香(82手目)と相手の角の利きを止める手厚い攻防手を打つなどして押し切った。

 立会人の中田功八段(57)は「互角の局面が続き、見どころの多い将棋だった。伊藤女流四段の9四桂(55手目)が早かったかもしれない。福間女流王位の7五歩(72手目)が良い手だった。次局もぜひ熱戦を期待したい」と話した。

 持ち時間各4時間のうち残りは伊藤9分、福間22分。第4局は6月12日、徳島県松茂町の「樫野倶楽部樫野邸」で指される。

 福間香奈女流王位の話 序中盤は難しく、一手一手がよく分からなかった。4五歩(58手目)の仕掛けでは、自陣を整備する方が良かった。2二飛(62手目)が甘く、難しくしてしまった。7五香(82手目)の形が手厚く、踏み込んでいけると思った。

 伊藤沙恵女流四段の話 一手一手難しい局面が続いた。4七金(57手目)は自陣から金が離れる手なので、微妙だと思っていた。3三歩(68手目)に対し何か手があればと思ったが、見つけられなかった。力は出し切れた。最終局を指したいので次も頑張りたい。

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