第2局を制し、対局を振り返る福間香奈女流王位=13日午後、札幌市中央区、京王プラザホテル札幌
第2局を制し、対局を振り返る福間香奈女流王位=13日午後、札幌市中央区、京王プラザホテル札幌

 将棋の福間香奈女流王位(33)=清麗、女流王座、女流名人、倉敷藤花=に、伊藤沙恵女流四段(31)が挑む第36期女流王位戦(神戸新聞社主催)5番勝負の第2局が13日、札幌市の京王プラザホテル札幌で指され、午後6時51分、先手番の福間が141手で勝ち、1勝1敗のタイとした。

 序盤は、福間が得意のゴキゲン中飛車から力戦を志向し、伊藤は強気に応じて7六飛(18手目)と横歩を取った。福間は正確な指し回しで主導権を握り、理想的な陣形を築いた。

 伊藤はバランスの取り方に苦慮していたが、厚みをつくる5五銀打(70手目)の好手から持ち直して混戦に。4筋からの伊藤の反撃に対し、福間は6九玉(99手目)と玉を左辺に逃がして安全を確保。4三銀(109手目)から一気に寄せ、粘る伊藤を振り切った。

 立会人の野月浩貴八段(51)は「福間さんが自分のペースで戦い、急所で鋭く踏み込んだ内容の濃い一局。伊藤さんは予定外の序盤からやや不本意な展開になった」と振り返った。

 持ち時間各4時間のうち、残りは福間が16分、伊藤が4分。第3局は25日、福岡県飯塚市の「麻生大浦荘」で指される。

■福間香奈女流王位「持ち時間をフル活用」

 序盤は歩損の代償に手得ができていたので、まずまずと思っていた。4六桂(66手目)以降、自玉が不安定になり、神経を使う展開になった。4三銀(109手目)で行けると思った。4時間という持ち時間をフル活用し、力を出し切れた。

■伊藤沙恵女流四段「先手玉逃がし不満」

 7六飛(18手目)は歩を取らない手もあったが、やってみたかった。8四歩(33手目)と8筋に拠点をつくられ、ミスしたと思った。4六桂(66手目)では難しい展開になったと感じていたが、先手玉を左側に逃がしては思わしくない。