「声、音の使い方が重要な位置を占めた」と話す森山未來=兵庫県立美術館(撮影・中西幸大)
「声、音の使い方が重要な位置を占めた」と話す森山未來=兵庫県立美術館(撮影・中西幸大)

■多くの「声」重ね大災害に迫る

 30年前、阪神・淡路大震災を神戸で暮らす子どもとして体験した俳優でダンサーの森山未來は、メディアの取材に対して震災を自身に引き付けて語ることを断る一方、深いところで思いを巡らせる作業は引き受けてきた。

 2010年にはNHKドラマで、その後、劇場でも公開された「その街のこども」に主演した森山。震災で離れた神戸を15年後に訪れ、同じように戻ってきた佐藤江梨子演じる女性と出会い、互いに思いを吐露する。「この作品で震災との距離感を見つけた、という感覚だった」と回想する。