震災30年。兵庫の仲間たちと再会するマル
震災30年。兵庫の仲間たちと再会するマル

 昨年末(12月21日)から2週にわたり、お正月休みで休載していましたが、あす11日、第34話から再開します。連載中の兵庫編第3シリーズ「マルの怪盗Xを追え!」は、いよいよクライマックスへ。震災30年を迎えた神戸、そして、淡路島を舞台に展開する最終章のあらすじを少しだけご紹介します。

    ◇

 兵庫県内全41市町を3年の歳月をかけて巡り、ついに旅の始まりの地、神戸に帰ってきたマル。神戸栄光教会を訪ね、シンディやマイケル、ルイ、フジコらと再会を果たし、一緒に「満月の夕」を口ずさんだ。

 明日はいよいよ光のトンネルが現れる1月17日。仲間たちはマルとの別れを予感しつつ、有馬温泉に連れて行く。湯に漬かりながら歌う仲間たち。そうしているうちに日づけは変わり、神戸ルミナリエの会場に向かうのだった。

 会場には、旅で出会った仲間が勢ぞろいしていた。30年前の午前5時46分、兵庫で多くの人、動物の命を奪った阪神・淡路大震災。以来、30年間、亡くなった人たちは、生き続ける人たちの記憶の中で生きてきた。

 ルミナリエは、その記憶の継承-。大切なことは忘れないこと。マルは、記憶の中でなら、いつだって大好きな人と再会できることを深く胸に刻み込んだ。

 震災30年の節目、そして美しいルミナリエの光に皆が思いをはせる中、張り詰めた声が大きく響いた。

 「ようやく追い詰めたぞ-、怪盗X-」。数十匹の警察猫がマル目がけて走ってきた。

 そこにマルコムが立ちふさがる。

 「ここはオレが説明する。マルは逃げろ」

 マルは淡路島の野島断層保存館に向かった。

(藤原 学)