「灘中までの道」のアカウント名で、中学受験に挑む息子との日々を交流サイト(SNS)のツイッター(現在のX)で発信してきた男性が、これまでの投稿内容に加筆して本を出版した。タイトルは「君とパパの片道列車~最難関校を目指した父子の中学受験日記」(光文社)。かつては仕事人間だった40代の会社員が子どもの受験に伴走する姿が飾らない言葉で描かれ、子育て書の一面も備える。(津谷治英)
神戸市東灘区の灘高校は全国屈指の進学校として知られ、東京大学の合格者は毎年約100人を数える。当然、中学受験には兵庫県の内外から天才、秀才が集まる。著者とその息子は、文字通り二人三脚でその困難に挑戦。ツイッターへの投稿は最大で117万回の閲覧数を記録し、大きな話題となった。
息子が学習塾に通い始めたのは小学3年生。難関校を目指す通称「灘コース」があり、成績優秀者は編入できる仕組みがあった。通常クラスのテキストにも難関校向けの問題が掲載されていたが、息子は「次元が違う人のための問題」と、見向きもしなかった。