ビオラをプランターに植える富島地区の住民と淡路高校生ら=淡路市富島
ビオラをプランターに植える富島地区の住民と淡路高校生ら=淡路市富島

 コロナで途絶えた人の交流を取り戻そう-。淡路市富島地区の住民が、地域活性化に取り組んでいる。10月下旬には地元、淡路高校の生徒と花を植える催しを企画し、約100人が参加する盛況ぶりだった。11月2日には、旧富島小の体育館で音楽フェスを開く。

 富島地区は、来年1月で発生から30年になる阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた。復興区画整理で道幅は広がったが、近所付き合いは減り、新型コロナウイルス禍でさらに深刻化。住民らは「地域のにぎわいを再び」と県と市の補助金を得てイベントを企画した。

 10月27日には「富島花いっぱい事業」という催しを富島地区まちづくり推進協議会が開いた。花を植えたプランターを自宅前に置いてもらい、水やり時に住民が顔を合わせて話すようになれば、と願いを込めた。

 植えたのは淡路高花と緑と海のめぐみ系列の生徒が栽培したビオラ。旧富島小の運動場で作業し、生徒5人が植え方を指導した。

 参加した住民は秋晴れの下、手作業で優しくビオラを植え、合間に世間話にも花を咲かせた。プランター300個に花を植え、その後、希望する家庭に届けられた。同校2年の保地璃音さん(17)は「育てた花が富島に並ぶのがうれしい」と満足そうだった。

 11月2日のフェスは富島地区連合町内会が主催し、午前11時から。同校ブラスバンドや淡路市の吹奏楽団「淡路シティウインズ」、同市出身の演歌歌手ヒデオ銀次ら6組が出演する。

 キッチンカーが並び、同校調理系列パティシエコースの生徒が作るスイーツの販売も。同町内会の伊藤建美会長(74)は「ほかの地域の人が富島に来るきっかけになれば」と期待する。伊藤さんTEL0799・82・0146(中村有沙)