明石北高生(奥)の出前授業でクビアカツヤカミキリの標本を観察する児童=高丘東小学校
明石北高生(奥)の出前授業でクビアカツヤカミキリの標本を観察する児童=高丘東小学校

 明石北高校生物部の生徒が11日、高丘東小学校(明石市大久保町高丘3)を訪れ、特定外来生物のクビアカツヤカミキリについて教える出前授業をした。3年生約50人は興味津々な様子で成虫の標本やサクラの木を観察した。(赤松沙和)

■3年生50人 ふん探しに興味津々 「サクラを一緒に守って」

 サクラやモモなどの木に寄生し、深刻な農業被害をもたらすクビアカ。国内では2012年に愛知県で初めて確認され、兵庫県内では22年6月に石ケ谷公園(同市大久保町松陰)で初めて発見された。同高校では生物部を中心に生息調査などを続けており、同小での授業も昨年から始めた。

 授業では明石北高校生5人が先生役に。クビアカは首に見える部分が赤いことや、触覚が体より長いものがオスであること、幼虫のふんと木くずが混ざった「フラス」が見つける手がかりになることなどを説明した。

 児童たちは、クビアカの成虫の標本を虫眼鏡でじっくり観察した後、校内のサクラの木も調査。この日はフラスなども見つからず、被害がないことを確認した。明石北高生は「もし見つけた場合は市に連絡を。明石のサクラを守るためにこれからも協力してほしい」と呼びかけた。

 野﨑智仁さん(8)は「クビアカツヤカミキリを初めて知ったけど、フラスを探すのがおもしろかった。他の特定外来生物も調べてみたい」。授業をした明石北高生物部2年の谷口嘉乃副部長(17)は「地域の小学生にまず知ってもらうことが大切。みんな興味を持って真剣に取り組んでくれた」と話した。