3種類のユニホームが入り交じっても、心を一つに戦った。開幕戦に登場した「神戸北・伊川谷北・神戸学園都市」。姫路南に七回コールドゲーム負けしたが、苦節を経た羽村主将の表情には充実感がにじんだ。 部員不足に伴い、前回大会後に神戸北と伊川谷北で連合チームを発足。だが、両校の打撃論の違いから、秋に神戸北の羽村ら現3年生5人が退部を申し出た。福本監督は慰留し、その間は代わりに教員が練習試合に出たことも。羽村らは「支えてくれる人のためにも逃げたらあかん」と翻意し、退部届を破り捨てた。 選手を動かしたのは、指揮官の言葉だ。「逃げるな。しがみつけ。束になって戦え」。平日の練習は別々でも厳しさを追求。新設の神戸学園都市の1年生も加わった。 羽村はこの日、1番、投手で先発。三回途中に腰に激痛が走って降板したが、「下がったら後悔する」と右翼手として出場し続けた。最後の夏を終え「野球をできるのは当たり前じゃない」と周囲へ感謝。「今後もどんな状況でも諦めない」と前を向いた。(井川朋宏)【高校野球特集ページ】こちら【選手名鑑ページ】こちら