グラウンドに立てた7分間を、存分に満喫したようだった。全国高校野球選手権兵庫大会2回戦で試合前のノッカーを務めた北須磨の女子部員、3年の林礼菜。笑みを絶やさず、後ろ髪をなびかせながら小気味よく打球を飛ばし、「仲間と一緒にプレーできて楽しかった」と振り返った。 小学校から野球に親しみ、中学時代は女子軟式野球の「神戸レッドガールズ」でプレー。高校でも野球部入りを決めた。 硬球への恐怖心は、楽しさが上回った。サポート役も務めながら、練習試合の2戦目は主にレフトで出場。4番打者の北野佑樹は「公式戦に出られず普通なら腐るところを一緒に熱くなり、献身的でチームの成長に欠かせない存在」と言う。 最後の夏、2試合でノッカーを務め、ボールパーソンとして戦況を見つめた。敗戦が決まると一転、涙をこらえきれず。あいさつでは「みんなと過ごした3年間は幸せで本当に宝物。つらいときは笑い合った日々を思い出す」と感謝を込めた。 卒業後の夢は警察官。「培った粘り強さ、諦めない心で、みんなから頼られるように」と涙をぬぐった。(井川朋宏)【高校野球特集ページ】こちら【選手名鑑ページ】こちら