■川西北陵4ー1柏原 最後の打球が遊撃手の守備範囲に打ち上がり、中堅からカバーに向かいながら川西北陵の水落は笑みを抑えられなかった。「きょう勝つことだけを考えてやってきたんで」。学校史上初めて第1シードで臨んだ兵庫大会で、まず1勝。峯村の捕球を見届けると、かみしめるように両手を大きく広げた。 決勝点は1-1の五回。1死から下位の二之宮、福本が内野安打でつなぎ、1番水落に打順が回った。暴投で二、三塁となった直後の2球目だった。「相手の一番の球を打てば士気が上がる」と狙った速球を中前に転がし、2人をかえした。 創部43年目を迎えた今春、県大会で過去最高の16強入り。夏の第1シード獲得は、級友や中学時代の球友の注目を集め、「胸を張っていける」(水落)と意欲十分に今大会を迎えた。三木監督は「いつも通りに」と平常心を説いたが、春の県大会2戦無失策の堅守がほころび、三回に2エラー。先制点を献上した。浮足立ったナインを落ち着かせたのが、水落の一打だった。 普段はおとなしいが、「試合になるとスイッチが入る」というリードオフマン。3回戦でも主役級の活躍を思い描く。(初鹿野俊)【高校野球特集ページ】こちら【選手名鑑ページ】こちら