■兵庫工10-5尼崎稲園 兵庫工は序盤に4点のリードを許す苦しい展開だったが、後半に自慢の打線が本領を発揮し、逆転勝ちを収めた。松岡監督は「野球は九回まである。選手には常に後半勝負と言ってきたが、最後まで集中してくれた」とたたえた。 重苦しい空気を振り払ったのは途中出場の8番前田のバットだった。4-4で迎えた七回、菱川、浜辺が安打でつなぎ、1死満塁で打席へ。ファウルで粘って8球目を強振。右翼の頭上を越える走者一掃の三塁打となり、一気に流れを引き寄せた。前田はこの日、4打点の活躍。「キャプテンから積極的に振っていこうとアドバイスされ、初球から全力でいけた。貢献できた」と流れる汗を拭った。 地区大会で私学の強豪にもまれてきた。昨年秋は神戸国際大付、滝川第二に敗れて悔しい思いをしたが、上田主将は「強いチームと戦ってきた経験が生きた」と成果を語る。 2年前からノーサインを貫く。エンドランは打者と走者のアイコンタクトで実行する。上田主将は「密なコミュニケーションが粘りにつながった。最後まで兵庫工のカラーで戦いたい」と誓っていた。(津谷治英)【高校野球特集ページ】こちら【選手名鑑ページ】こちら