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 四月から始まる朝ドラを楽しみにしている。植物学者・牧野富太郎がモデルであるからだ。その発表の数日前に私は『ボタニカ』という小説を刊行していて、驚きの次に嬉(うれ)しさが込み上げた。拙作は原作ではないが、富太郎はもっと知られていいと思うからだ。

 小学校中退、学歴のない学者であった。生涯、ひたすらに草木を愛し、愛され、周囲には傍迷惑(はためいわく)ともいえる生き方を通した。有名な悪癖は金銭感覚のなさで、高価な書物を手当たり次第に買い込むなど、収入以上に費消する。大貧乏の大借金生活に陥って実家の身上を潰(つぶ)し、それでも、金銭に頓着したら学問はできん、何とかなるろう!と平然としている。が、お弁当を用意できないため子供たちは遠足に行けず、台所には砂糖が無かった。

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2023/3/9
 

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