この4月から「ご隠居」になった。それまでは生命科学研究者として、27年たらずという長きにわたり大阪大学で教授を勤めてきた。主観的には十分に働いた。研究に未練などない。きれいさっぱり足を洗っての隠居生活突入だ。
なんといっても楽である。退屈ではないかと心配してくれる人もおられたけれど、大きなお世話だ。若いころから、できるだけ早く仕事を辞めて楽になりたいと思っていた。ようやく夢が叶(かな)い、嬉(うれ)しくてしかたがない。
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