海洋ゴミは世界的な問題となっていますが、身近な生き物にも影響を及ぼしているようです。タニシさんの作品『かもめを拾った話』では、そんな海洋ゴミにまつわるエピソードが描かれています。同作はX(旧Twitter)に投稿されると、約7200のいいねが寄せられました。
ある日、海上保安庁巡視船の入港を手伝っていた作者は、船が近付いても逃げずにその場をくるくる回るカモメを発見します。不思議に思った作者は、カモメをタモですくうと両脚にテグスが絡まっており、羽も折れていることが分かります。
このカモメをどうしたらいいか困った作者は、県の森林課に問い合わせたところ、岸壁までカモメを引き取りに来てくれるとのことでした。
その後、カモミンと名付けられたカモメは空気穴を開けたダンボールを仮の住まいとし、しばらくの間は一緒に航海します。ただカモミンは危険を感じているのか、人間への敵意を強く持っている様子です。例えば手を近づけると、すぐにくちばしで突いて攻撃してきます。それは餌をあげようとするときも例外ではありません。
時にはダンボールから逃げ出し、いなくなってしまうこともありました。しかし進み続ける船の上から降りることができないカモミンは、困り果てて甲板の上で佇むばかりです。
それからしばらくして、巡視船は岸壁へと入港します。すでに待機していた県職員に、作者はダンボールごとカモミンを手渡します。県職員は「後々の経過とか連絡いります?」と聞かれるものの、作者は「別に…いいです…お手数ですし…」と答えるのでした。
読者からは「いい話だ…」「カモミン元気でいてくれるといいなあ」などの声が寄せられています。そこで、作者のタニシさんに話を聞きました。
■カモミンは翌日には我々のことなんて忘れているだろうと思い…
-この作品は、タニシさんの実際のお仕事を元に描いたのですか
はい、某保安部巡視船に配属されていた際の思い出です。
-保護したカモメにはカモミンという名前が付けられていましたが、なぜこの名前に至ったのでしょうか?
安直ですが、カモメからもじってカモミンにしました。
-最後、県職員から後々の連絡を断ったようですが、それには理由があったのですか?
連絡いただくかどうかは迷いましたが、わざわざ県職員の方にお手間を取らせるのも…というのと先輩らも次の日にはカモミンのことを忘れているだろうなという思いで遠慮いたしました。
(海川 まこと/漫画収集家)























