9月29日より、連続テレビ小説『ばけばけ』が放送を開始する。本作は、小泉セツとその夫で作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルとしたフィクション。脚本を『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』『バイプレイヤーズ ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~』などで知られるふじきみつ彦が手がけ、主題歌「笑ったり転んだり」をハンバート ハンバートが担当する。
島根県・松江に没落士族の娘として生まれた主人公・松野トキ(福地美晴/髙石あかり)は、父・司之介(岡部たかし)と母・フミ(池脇千鶴)、祖父・勘右衛門(小日向文世)とともに世をうらみ、貧しい日々を送っていた。怪談を愛するちょっと個性的な女性に成長したトキは、英語教師として赴任してきた外国人・ヘブン(トミー・バストウ)とめぐりあい、夫婦になり、何気ない日常を重ねていく。そんななかで、いつしかうらめしかった世界がすばらしいものに「ばけ」ていく、という物語だ。主人公・松野トキを演じる髙石あかりがインタビューに応じ、撮影の様子を語った。
■「松野家は“奇跡の4人”。似てる部分が多いんじゃないかと」
物語序盤では「松野家」のシーンが多く、また家族4人のやりとりが実に見ものだ。トキの父・母・祖父を演じる岡部、池脇、小日向との芝居についてたずねると、髙石はこう語った。
「もう『奇跡の4人』というか。本当に家族みたいに仲が良くて……というか、家族です(笑)。それが不思議ですし、きっと似ている部分がすごく多いんじゃないかと。4人それぞれ色が違うんだけれど、似ている部分があって、だからこそお互いに引き寄せられるのではないかと思っています。松野家のシーンがあるとやっぱり嬉しいし、お芝居していて本当に楽しいです」
■母・フミ役の池脇千鶴が家族を支えるバランサー
どんなところが「似ている」のだろうか。
「みんな、表立っては見せないけれど、奥のほうにほんの少し人見知りなところがあって。『全員人見知りだと、かえってくっつくんだな』という。あ、でも小日向さんだけはちょっと違うかもしれないですね(笑)。おじじ様の明るさがいつも松野家を照らしてくれています」
「父上役の岡部たかしさんは、小日向さんの明るさとはまた違う明るさです。いつもふざけていて……『ふざけて』って言い方も変ですね(笑)。とにかく緊張をほぐしてくださって、みんなを笑顔にしてくれます。家族のこと、現場全体のことをすごく見ている方ですね。そして、そんな松野家のバランスをとっているのが母上役の池脇千鶴さん。どっしりと家族を支えてくれています」
■「カットが全然かからない」
「松野家」のシーンではアドリブも多いという。第1週にはトキと司之介がじゃれ合って、プロレス技をかけ合うようなシーンもあった。
「あれもアドリブです。なんでああなったんだろう(笑)。父上の足を引っ張ってやろうと思ったら足で身体を掴んで離してくれなくて、そしたら『ぐるぐる~』となって(笑)。このドラマ、カットが全然かからないんです(笑)」
貧しいながらもなんとか笑って生きる松野家の、クスッと笑える日常をお楽しみに。
(まいどなニュース特約・佐野 華英)