冷蔵庫の上がお気に入り。キキちゃん(右)、ララちゃん=santatogenさん提供
冷蔵庫の上がお気に入り。キキちゃん(右)、ララちゃん=santatogenさん提供

■住宅地に現れた野良猫たち

キキちゃん・ララちゃん(6歳・メス)は野良の子猫姉妹。2017年3月、群馬県在住のKさんの近所に仲間と一緒に現れた。1歳になっていないくらいの猫が全部で5匹ほどいたという。その後、Kさん宅のリビングの窓の前にキキちゃん、ララちゃんが来るように。最初は別々に現れたという。

「ごはんはあげませんでした。TNRする自信もなかったし、どうしたらいいのか分からなかったからです。2匹は毎日何度も現れて、『ごはんをちょうだい』と鳴きました」

■1匹はエイズキャリアだった

2匹が来るので、Kさんは家にいるのが辛くなり、近所の友人の家に行って過ごすようになった。しかし、ついにギブアップ。「もうダメだ」と思い、とりあえずごはんで誘ってキキちゃんを保護した。Kさんが出かけている間に、娘さんがララちゃんを保護。先住猫が2匹いたので、ウイルス検査のため1カ月間隔離部屋で過ごさせた。

「ララはエイズキャリアでした。獣医さんに『ララだけ別の部屋にした方がいい』と言われたので隔離したのですが、ララが鳴いて、鳴いて、かわいそうなくらいでした」

Kさんは考えに考え、ララちゃんをみんなと一緒にした。最初は心配したが、先住猫のさんたちゃんや源ちゃんは、キキララちゃんに関わることはあまりなかった。

■強い絆で結ばれた2匹

ごはんは2匹とも素早く食べる。Kさんは、「さすが外猫ちゃんだなあ」と思ったそうだ。

「我が家では、キキのことをお姉さんと呼んでいます。いつもララがキキに甘えてぺろぺろしてもらっているからです。ララは怖がりで、賢いキキが守ってきた気がします。鳴いて人間にごはんをもらうのもキキがララに教えたのでしょう。2匹の絆は強いと思います」

支え合って生きてきた姉妹猫。2匹一緒に穏やかに暮らしている。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)