ヤマモトマサアキ・画
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  第三章 行き違う人々(九十七)

 おれは織田家の重臣として、信長の代になった時から弾正忠家の隆盛のために、必死に尽力してきたつもりだ。信盛にはその自負がある。以来、もう二十年以上、常に戦の最前線で追い使われ続けてきた。雨の日も灼熱の夏も、猛吹雪の晩もあった。だから同じ頃合いの四十半ばの者に比べても、外見の老け方は尋常ではない。