深ヨミ

国立民族学博物館教授 樫永真佐夫さん
殴り合う行為が「人間的」とは?

2022/01/16 14:00

樫永真佐夫さん(かしなが・まさお)1971年神戸市生まれ、明石市育ち。姫路市の淳心学院中学、高校から早稲田大へ。東京大大学院総合文化研究科を経て文化人類学者に。専門は東南アジア地域。「黒タイ年代記」(雄山閣)など。

「拳」握り道具とした/痛み想像できない「暴力」は怖い


 人間は暴力性を持つ生き物であり、拳で殴る行為は極めて人間的である-。そう聞くと、大半の人は「そんなことはない」と嫌悪感をあらわにするだろう。文化人類学者で、国立民族学博物館(大阪府吹田市)教授の樫永真佐夫さん(50)は、古今東西の「拳闘」がスポーツのボクシングと変化していく過程を通じて、人間の本質に迫る「殴り合いの文化史」を著した。ボクシング好きが高じて、実際にボクサーとなった樫永さんに尋ねてみた。殴り合いがなぜ「人間的」なのですか-。(小西隆久)


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