目黒警察署長時代の筆者(右)。近所の子どもたちを署に招待して少年餅つき大会を開催。街の人たちも手伝ってくれた
目黒警察署長時代の筆者(右)。近所の子どもたちを署に招待して少年餅つき大会を開催。街の人たちも手伝ってくれた

 警察庁を退官するまでさまざまなポストを経験したが、その中でもう一度やりたいものを一つ挙げろと言われれば、私はちゅうちょ無く目黒警察署長を挙げる。目黒には1984(昭和59)年9月に着任した。32歳だった。当時、東京の本富士、目黒、神田、三田の各警察署は、警察庁キャリアが署長になることがよくあった。目黒は、私の前まではキャリアの署長はそれほど多くなかったが、私以降は約20年間キャリアの署長が続いた。その頃の警察庁上層部は、キャリアの育成上、署長ポストを非常に重視していた。